きみのもしもし #147
ーそんなとこに、行ってたんだ。
ーうん、そうだよ。
ーひとりだと、観て回りやすいでしょ。
でもね、ときみからのメールに目を落としながら、ぼくは思う。
ふたりで観て回ると、それはそれで、その場でいろんな感覚が共有できて、よりよいと思うんだよね。
なぜか、そんな言葉はメールには乗せない。
そんなこと、言い出したらきりないし、言わなくっても、互いにわかり合っていること。
ー熱中症だいじょうぶ?
ーそこからだと、うちまで近いね。
ーおいで。美味しい珈琲いれたげる。
ーもしもし、ご希望だったら、アイスにもできるよ。
立て続けにきみからのメール。
ぼくは返信をする間もない。
そんなきみからのメールを読みながら、すでに足はきみの街へと続く地下鉄へ向いていた。
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