風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #675

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「もしもし、またそのシャツ?」
 袖を通したぼくにきみが不思議な顔をしている。
 白いシャツは何枚か持っている。
 だから、この前と同じシャツじゃないよ。
「同じに見える」
 きみは不思議そうにシャツに顔を近づける。
「好きなんだね、このシャツ」
 ぼくは頷く。
 このシャツはね、
 ぼくの体との間に、風が入るんだ。
 きみは少しだけキョトンとし、
「あ、それ、なんとなく分かる気がする」
 そして、ぼくのシャツと腕を組む。

Written by ken1

2020/11/22 at 22:10

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #674

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ー鳥さんもネコさんも、みんな今まで通りに生活してるのにね。
 ベランダからネコが見えた。
 近所のおばちゃんが何かあげていた。
 右手に見える電線には、
 向こうの森から飛んできた鳥が羽を休めていた。
ーもしもし、わたしたちだけかなぁ。
 そうだね、人間だけだろうね。
 ぼくらがきっと一番弱いんだと思うよ、心も身体も。
 だから、ちょっとしたことにも敏感になるのかな。
ーどうしよう。
 ほら、それが鳥さんたちと違うところ。
 でも、しようが無いよ。それがぼくらなんだから。
 珈琲をいれたげるね。
ーいつものように?
 そう、いつものように。

Written by ken1

2020/11/15 at 19:33

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #673

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ー飴、あげる。
 きみの右手から、ぼくの右手に、
 セロファンに包まれた懐かしい丸っこい飴が、1個手渡された。
 昔おばあちゃんからよくもらったのに似てるね。
 きみは、そんな昔のことは知りません、と笑っている。
ーこの飴、ほんとゆっくりと溶けるんだよ。
 ぼくは口に頬張り、その感覚を味わった。
ーゆっくりとした時間って大切だよね。
 きみはぼくにまた飴を3個手渡した。
ーもしもし。週末までの分だよ。
 ありがとう。
 そして、ぼくの口の中でゆっくりと溶ける感覚はとてもとても懐かしかった。
 

Written by ken1

2020/11/08 at 23:31

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #672

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今日もスマホを覗いてる。
あなたの右手はいっつもスマホをいじってる。
その右手、以前はわたしのものだったのに。
いつの間にかスマホに取られてしまった。
太刀打ちできないかなぁ。
どうしたらいいかなぁ。
わかったよ、と言うくせに、
しばらくするとまた右手はスマホをいじってる。
もしもし、今日はわたしと話そうよぉ。
明日からまた忙しくなるから、
今日はスマホを置いて、
わたしとゆっくり話そうよぉ。

Written by ken1

2020/11/01 at 18:27

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #671

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きみの夢は?
きみがぼくに聞いてきた。
今持っている夢に加えて、
かつての夢や、どうしようかなって思ってる夢も含めて、
ぜーんぶ、今の夢にしちゃいなよ。
せっかくなんだからひとつに絞ることもないし、
たくさんあった方が楽しい気がしない?
なんかワクワクして、幸せな感じがするよね。
もしもし、ねぇねぇ、そう思わない?
絞り込んでひとつを追いかけるのもありだろう。
夢をたくさん持っているのもありだろう。
そうだね、せっかく思いついたんだものね。
そうやってきみはいつもぼくに元気をくれる。
それに応えるのもある意味ひとつの夢かもね。

Written by ken1

2020/10/25 at 18:57

カテゴリー: kiss

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