風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #492

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ーちょっと上を向いて、大股で歩いてみなよ。
    近所の境内で森林浴もどきをしていたら、きみからメッセージが届いた。
ーそうすると幸せになれるらしいよ。
    ぼくはぼくなりに幸せなんだけどなぁ。
ーあなたがもっともっと幸せになると、わたしもとってもとっても幸せになれるんだから。
    頼られてるのを喜んでいいのか、
    他力本願に口を挟むべきか。
ーとにかく、ひとりでどこかに行く時間あったら、声くらいかけてよね。
    この展開は。。。
ーどこにいるの?わたしはあなたの家のドアの前。
    きみはいつまで経っても心配性だね。
    ぼくは「ちょっと上を向いて、大股で歩いて」、そして少しだけ足早に
    きみの待つ場所に戻ることにした。

Written by ken1

2017/05/21 at 18:09

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きみのもしもし #491

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ーI love you, Mam.
 映画の中の少年が母親に言っている。
 これからはもっと言うね、と言っている。
「言ったことないなぁ」
「いいと思うよ」
「でも、ありがとうは今朝伝えたよ。電話だけどね」
「とってもいいと思うよ。離れていても声が聞ける。素晴らしいね」
 ぼくは少しだけ照れくさい。
「もしもし、わたしには?」
「そうだね、いつもありがとう」
 きみはゆっくり首を横に振る。
 そんなきみに、ぼくは小さくI love youを口にした。

Written by ken1

2017/05/14 at 18:05

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きみのもしもし #490

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ーどんなノートを使ってるの?
 きみがぼくの手元を覗き込む。
 ふつうのノートだよ。
ーそうかなぁ。
 どんなノートを使ってるかより、
 どんなふうに使ってるかが気にならない?
ーノートを決めると、使い方も決まるでしょ。
 ぼくは意識したことないなぁと、
 きみにノートを広げてみせる。
ーやっぱり方眼だ。サイズも想像してたよりちょっと大きめ。
 綺麗にまとまってるね。と、きみが感心している。
ーもしもし。同じものが欲しいっ。
 おねだりされるほどのノートじゃないよ。
 もっとオシャレなのもあると思うよ。
 それでも、
ーこれがいいの。わたしも綺麗に書けるようになるよね。
 と、きみが真剣に言う。
 そうだね。それに、いつでもそばにノートがあると楽しいよ。
 と、ぼくは笑った。

Written by ken1

2017/05/07 at 18:13

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きみのもしもし #489

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「最近、以前ほど写真撮ってないでしょっ」
 と、きみに言われた。
 そうなんだよね。旅行に行ってないしなぁ。
「旅行に行かなきゃ、撮れないわけ?」
 きみが珍しく突っ込んでくる。
 そんなわけでもないつもりだけど。
 実際、そんなわけなんだろうなぁ。
 旅行に行くと、ふだんとは違う色が目の前に
 広がっている気がするんだよね。
 きみは首を横に振る。
「もしもし。ありふれた風景だってね」
 とっても強く横に振る。
「撮る角度や時間によって美しさを放つことができるんだよ」
 そしてにっこりと笑う。
「まぁだ、気づかないのかなぁ」
 ポンポンとぼくの肩を叩いてにっこりと笑う。
 ここまで言われるということは、
 それだけ期待されているということだね。
 ぼくもきみににっこりと笑い返した。

Written by ken1

2017/04/30 at 19:40

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きみのもしもし #488

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「どんなこともね、何か大切なことを気づかせてくれるために起きるんだよ」
 またきみが何か哲学的なことを言い出した。
 こんなことが年に何回かある。
 正直言うと、きみらしからぬ言葉なんだけど、
 だけど毎回「ためになる」なぁと思ってしまう。
 今日のこの言葉も、なんとなくどこかで耳にしたことがある気もするけど、
 改めてきみの口から聞くと、素直に耳を傾けてしまう。
「と言うことはね、難しい問題なんかじゃないのよ」
 きみが上目遣いにぼくを覗き込む。
「起きてよかったぁって思えるようになるといいね」
 きみは今日のぼくから何を感じ取ったんだろう。
「もしもし。きっとそう思えるからね」
 ぼくもきみも、二人して、一緒にゆっくり頷いた。

Written by ken1

2017/04/23 at 19:34

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きみのもしもし #487

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 陽射しに包まれた煉瓦作りのベンチに座り、
 幸せってなんだろうと考えた。
 ぼくにとっての幸せってなんだろうと。
ー欲しいものを買う。
ーパリに旅行に行く。
 それも幸せ。
ー写真を撮る。
ーこのカメラのシャッター音を聞く。
 それは幸せ。
 でもそれだけじゃ満たされない。
「もしもし」
 きみが笑っている。
 きみが楽しそうに笑っている。
 そうだね。
 それがぼくにとっての一番かな。
「ねぇ少し歩かない?」とぼく。
「いいよ」ときみ。
 いつまでもきみの笑顔が見れますように。
 うん、これだな。
 ぼくらは海沿いの公園に沿って歩き出した。

Written by ken1

2017/04/16 at 00:11

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きみのもしもし #486

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「あーゆーはぴー?」
 きみがぼくの行く手を阻んで、そう言った。
 一瞬、何を言っているのか、分からなかった。
「Are you happy?」
 きみはぼくの目を見て、また言った。
 今度はちゃんと聞き取れた。
 でも、その意図までは分からなかった。
「自問自答しなよ」
 そう言われて、ぼくも口にしたみた。
「もっと大きな声で。もっとみんなに聞こえるように」
 とりあえずきみには聞こえるように言ってみた。
「アーユーハピー?」
「もしもし。うーん、まっいっか」
 でももう一回言うようにきみは催促する。
「あーゆーはぴー?」
 もう一回。
「Are you happy?」
「うん、道に迷ったら自問自答するんだよ」
 きみは気づいたんだね。
ーありがとう。
 すでに前を歩くきみにそっと言ってみた。
 

Written by ken1

2017/04/09 at 19:15

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