風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #632

leave a comment »

 懐かしい曲を見つけた。
 見つけたと言うよりアレクサがかけてくれた。
 昭和チッくなこの曲は、
 それでも何回も聴きたくなる曲だった。
「もしもし、それはわたし?」
 ちょっと違うかな。
ー鏡の中で口紅をぬりながら
ーどんな嘘をついてやろうかと考える
ーあなたは、、、
 ふーん、ときみは笑う。
 ふふふ、とぼくも笑う。
 そしてぼくは懐かしいその曲をもう一度かけてみた。

Written by ken1

2020/01/26 at 00:03

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #631

leave a comment »

 幸せな音、と言う単語をSNSで目にした。
 短いけれど、とても優しい書き込みだった。
 いい言葉だね。きみに伝えた。
ーもしもし、あなたにとっての幸せな音ってなぁに。
 きみはそう見つめてくる。
 きみの寝息かな。
ーそれって何か恥ずかしいな。
 そうかな。
ーそうよ。
 そうかも知れないけど、
 きみの寝息の音は、
 ぼくにとってとっても安心できる幸せな音だよ。
 笑いながら首を横に振るきみ。
 そんなきみの幸せな音って何だろうね。

Written by ken1

2020/01/19 at 22:35

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #630

leave a comment »

 ふと気づいた。そんな気がした。
 ぼくがきみを見てたんじゃなくて、
 きみがぼくを見ていたんだね。
 ぼくがきみを見守っていたんじゃなくて、
 きみがぼくを見守っていてくれたんだね。
 聞こえているのか、聞こえていないのか、
 きみはすーっすーっと寝息を立てている。
 久しぶりのぼくの膝枕で、静かな寝息を立てている。
「もしもし」
 そんなきみが薄目を開ける。
 眠たそうに薄目を開ける。
 そしてぼくはゆっくりうなずく。
 もう少し寝てていいよと、きみの髪を撫でてみる。

Written by ken1

2020/01/12 at 21:48

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #629

leave a comment »

ーで、今年の目標は?
 毎年のきみからの年始の問いかけ。
 去年の目標は何だったっけ。達成できたのかなぁ。
ー去年は去年、今年は今年。
 きみもぼくも去年の目標を忘れている。
 まっいっか。
 今年はね、時間を大切にするんだ。
 思い出した、去年の目標。そしてきみも思い出したようだ。
ー去年は早起きだったものね。
 今年はね、それに追加。
 ごにょごにょごにょ。
ーもしもし?去年と同じ本の受け売り?
 受け売りじゃないよ、共感。
 通勤時間は誰からも邪魔されない時間だから、
 自分のために有意義に使いなさいってさ。
 良い一年になりますように。

Written by ken1

2020/01/05 at 18:57

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #628

leave a comment »

 うん、今、投函してきた。
 すごいんだぜ、郵便ポストがいっぱいで、
 別のポストまで行ったんだ。
 SNSで年始の挨拶をするのが増えているのに、
 不思議なこともあるんだね。
ーどうしてあなたは今日投函したの?
 毎年天皇誕生日に書いてたんだけど、
 今年は休みじゃなかったから。
ーじゃあ、きっとそのせいよ、ポストがいっぱいだったりも。
ーみーんな、天皇誕生日に書いてたんだね。
 なるほど、そうとも言えるのか。
 とにかく令和最初の年賀状は元旦には届きそうもないよ。
ーもしもし、それって単なる言い訳だね。
 きみはさらりと痛いところを突いてくる。

Written by ken1

2019/12/29 at 19:06

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #627

leave a comment »

 海に来ていると言う。正確には海岸か。
 小春日和とはもはや言えないが、
 それでも日向は暖かい日もある。
 そんな中、はやりのヨガで体を整えたらしい。
ーもしもし、貝殻を集めてきたの。
 少女のような響きのきみからのメッセージ。
 海の音が聞こえてくるような貝殻か。
ーちょっと違うと思う。
ー窓に貝殻を飾るといいことがあるって。
ー来年もね、あなたとわたしと、
ーそしてみんなに、いいことがありますように。
 きみの左の掌に乗った貝殻の写真、背景は明るい海。
 そうだね、ほんと、みんなにいいことがありますように。
 とくにきみとぼくにとって、
 とってもとってもいいことがありますように。

Written by ken1

2019/12/22 at 19:57

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #626

leave a comment »

 きみがクリスマスプレゼントを渡したいと連絡してきた。
 クリスマスの日、逢えないかも知れないものね。
 逢えれば逢えたでいいし、逢えないかも知れないことを想定して、
 今日夕方そこに来るようにきみは指定してきた。
 そこには壁からピアノの鍵盤だけで出ていて、
 誰でもいつでもピアノを弾くことができた。
 その鍵盤の前に用意されている椅子に腰掛け、
 きみはこちらを向いてぼくを待っていた。
「もしもし、いいこと、みんなのピアノだから一度しか弾かないからね」
 そしてきみは軽やかに聴いたことのあるクラシックの名曲を弾き出した。
 練習したんだね。きっとすごく練習したんだね。
 その場限りの、唯一無二のきみからのプレゼント。
 ありがたく心に刻んでおくね。
 クリスマス10日前、道ゆく人もきみのピアノに足を止めた。

Written by ken1

2019/12/15 at 21:09

カテゴリー: kiss

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。