風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #518

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 いつまでもそばにいるようで、
 いつでも声がきけるようで、
 そうではないと、たまに気づいたり、
 気づいたのに、気づかなかったふりをして。
 きみの好きな食べもの。
 きみの好きな花。
 きみの好きな写真。
 いくつ覚えてるかな。
 いつまで覚えてられるかな。
 丸まって寝息をたてているきみを見ていて、
 ぼくは思う。
 いつまでも仲睦まじく、
 いつまでも笑顔で、
 いつまでも楽しい会話ができるといいね。
-もしもし。
 今夜はぼくからきみへもしもし。
 いつまでも側にいるから。

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Written by ken1

2017/11/19 at 19:51

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きみのもしもし #517

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 きみを笑顔にする魔法の呪文なんて知りません。
 この頃はすぐに夜になっちゃうし、
 今夜もそんなに時間に遅れていないのに、
 少しだけ気が急いてしまいます。
 でも、少しでも早くきみの顔を見るために、
 少しでも長くきみと一緒にいるために、
 さぁ、きみに会いにいきます。
 もう少しだけ待っていなさい。
ーもしもしぃ、返信はいいから、早くおいでよ。
 やはりきみは待ちわびているようで、
 それはそれでうれしいものです。

Written by ken1

2017/11/12 at 18:36

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きみのもしもし #516

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 例えば、1枚の写真を撮るのに1/100秒だとして、
 300枚の成功した写真を撮るには、たったの3秒。
 でもそれだけの成功した写真を撮るために費やす「時」はどのくらいなんだろう。
 どのくらいの「時」と向き合うんだろうね。
「知ってるよ、その話」
 うん、有名だものね。
「そのフランスの写真家さんは50年かかったのよね」
 そう、彼は50年かけて3秒。
「写真の前に人生があるって言ってたね」
 難しいなぁ。ピンと来ないや。
「いいんじゃない。気に入った写真が1枚でも撮れれば」
 うん、それが2枚、3枚と増えていきますように。
「もしもし、その中の1枚にわたしを必ず入れること」
 ぼくはなんだか照れくさくなり、
 きみはぼくの手を取って、
 そしてぼくらは写真展を後にした。

Written by ken1

2017/11/05 at 18:54

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きみのもしもし #515

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「どう、似合う?」
ーうん。
 肌寒い今日、きみが冬物のカーディガンを羽織って現れた。
「そうじゃないっ」
 きみは仁王様みたいな表情で腕を組む。
「いいセンスだね、とか何か褒め言葉を続けてよ」
 ぼくは少し考える。
ーいいセンスだね。
 きみは首を横に振る。
「しょうがないなぁ」
 そして苦笑い。
「たまには褒めてね」
 ほっとしてぼくは頷く。
「今だけ安心しないでよ」
 ぼくは頷き直す。
「もしもし、褒めあうっていいと思うのよねぇ」
 そうだね。
 自然に褒め合える仲っていいね。
 手始めにぼくらは互いに褒めあうゲームを始めた。

Written by ken1

2017/10/29 at 18:52

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きみのもしもし #514

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「またすぐ会いたいと思う?」
 ぼくの前のシートに座っているきみが、
 立っているぼくに顔を近づけさせ、
 そっと耳打ちしてきた。
「またすぐ会いたいと思う?」
 お酒が回っているきみの頬はうっすらと赤く、
 そして潤んでいる瞳とその問いかけに、
 ぼくは照れてしまう。
「もしもし、わたしはね」
 そう言ってきみは立ち上がり、ぼくにシートを譲る。
 そうか、ここはきみの降りる駅だね。
 きみの代わりに座ったぼくに、
 きみは顔を近づけて、
「ずっとそう思える二人でいようね」
 きみは笑って電車を降りた。

Written by ken1

2017/10/22 at 20:04

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きみのもしもし #513

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 以前どこかで耳にした。

ーきみとの時間は永遠に続かない。
ーそれを忘れないように。

ーきみを抱きしめること。
ーぼくがきみに与えることができる唯一の宝物。

ーきみへの気持ちを伝えよう。
ー心を込めて。

 肌寒い小雨の中、写真展を観た帰り、
 ギャラリーに展示してあった、
 愛するものとのかけがえのない時間の記録、
 それらがジョージ・カーリンからのメールを思い出させた。

 そして今、それがきみに重なった。
 いつも聞き慣れているはずの、
 きみのもしもしに重なった。

Written by ken1

2017/10/15 at 18:29

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きみのもしもし #512

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「あなたに会おうと思えば、そう、あなたを見つけるのはとても簡単なの」
 きみは余裕の表情で、ぼくの向かいの椅子を引く。
 きみとの待ち合わせの時間まで、
 ぼくは約束とは別の店で本を読もうとしていた。
 少し広めのテーブルで、シンプルな内装と静かな音楽。
 そんなカフェ。
「あなたが好きそうなお店を考えれば、あなたに会える」
 きみはふふふと、
「それだけのことよ」
ーもしもし、とっても簡単なことなのよ。
 きみが自慢げに微笑んでいる。

Written by ken1

2017/10/09 at 08:23

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