風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #578

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 目を覚ますと、連山の裾野に朝靄が広がっていた。
 季節外れの春の陽気のせいなんだろう。
 こんな現象もこの景色そのものも、
 今のぼくにとっては非日常のひとつなんだろうな。
ーちょっとさみしいね。
 そうだね。
 高校を卒業して何回何日帰省したことだろう。
 そして、あと何回何日帰省できるんだろう。
 日常だった風景と生活が、
 いつの間にか非日常になっている気がした。
ーもしもし。故郷があるのはうらやましいよ。
 そうかも知れない。
 でも故郷はみんなにあると思う。
 非日常も日常も関係ないや。
 しばらく連山を見ていて、最後はそう思った。

Written by ken1

2019/01/14 at 19:03

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きみのもしもし #577

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 おみくじについてきみと話す。
 おみくじはお参りをした後に引く。
 そのときのお願い事が叶うまでの時間を教えてくれる。
 大吉だったら、もうすぐ叶うよ。
 そうでなかったら、もう少し精進しようね。
 それを神様がおみくじを通して教えてくれる。
 今年はお願い事を変えてみようと思う。
 さてとおみくじには何と書かれてくるのだろうか。
「もしもし。それ違うと思う」
 きみが不思議そうな顔をした。
「何と書かれていてもいいじゃん」
「願い事を叶えるのも、結果をどう捉えるかも」
「ぜーんぶ、あなたなんだから」
 そしてきみはにっこりと笑う。
 そうだね、その通りだね。
 でも今年これからの願い事はどのくらいで叶うのだろう。
 やっぱりちょっと気になるなぁ。

Written by ken1

2019/01/06 at 19:07

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きみのもしもし #576

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 今年も終わる。
 早かったなぁ。
 きみには数え切れないほどの、
 ありがとうをもらったね。
 言わなきゃならないのは、ぼくのほうなのに。
 きみの言葉でどれだけぼくの世界は潤って、
 きみの瞳でどれだけぼくは安心して、
 きみの仕草でどれだけぼくは癒されたことだろう。
ーもしもし、何をごにょごにょ言ってるのかな。
 そうだね、ちゃんと伝えなきゃ。
 きみのおかげでこの一年、きちんと過ごすことができました。
 ありがとう。
 きみのもしもしに支えられたんだよ。
 ありがとう。
 そう伝えなきゃ。
 今年のうちにきみにちゃんと伝えなきゃ。

Written by ken1

2018/12/31 at 02:19

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きみのもしもし #575

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ーもしもし、笑顔で寝てますか?
 きみがクリスマスカードに添えてきたメッセージ。
「笑顔で眠ると優しい夢を見れる気がしない?」
 カードを見ていたぼくにきみは言葉を続ける。
 笑顔でそう続ける。
「優しい夢を見れると明日はいい日になる気がしない?」
 もっと続ける。
 きみの言葉ひとつひとつが、
 ぼくにとってのクリスマスプレゼントなんだろうな。
「今日も一日ありがとうって言って寝るともっといいんだよ」
 そう言ってきみはぼくに一冊の本を手渡した。
 すべてはこの本に書かれているらしい。
 いい話だね。
ーうん。
 きみはとってもいい笑顔で頷いた。

Written by ken1

2018/12/24 at 00:40

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きみのもしもし #574

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 表参道発車っ。
ーこっちは自由が丘出ました。
 それぞれの忘年会。
 きみもぼくも、楽しい時間を過ごした模様。
 きみからのメッセージにはそれを裏付けるように、
 たくさんの明るいスタンプが添えられる。
 ひとつ返すと、3つも4つも返ってくる。
ー二子玉川あたりで会えるかな。
 きみが待てればね。
 おっきなOKマークのスタンプが3つ付いてきた。
 大丈夫かなぁ、このテンション。
ーもしもし、わたしはまだまだ冷静よ。
 こんなときのきみが一番怪しいんだけどね。
 そう思いながら、
 ぼくもおっきなOKマークのスタンプを3つ、きみに送り返した。

Written by ken1

2018/12/16 at 19:22

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きみのもしもし #573

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ー今年はここ。
 昨夜遅くに連絡があり、ぼくは今朝早起きしてこの駅できみと待ち合わせ。
 ぼくらは駅からバスに揺られ、そこから40分ほどのハイキング。
 そこが今年のここ。
ーやっぱり潮焼けしてるね。穴場だと思ってたんだけどなぁ。
 海に近いところの紅葉は、山場でも潮焼けをしているんだろうね。
ーでもね。
 きみはぼくの視線を空に向けた。
 潮焼けから逃れた真っ赤な葉っぱたちはお日様の光を存分に浴びて、
 少ないなりに、でも見上げた空をそれはそれは綺麗に飾っていた。
ーもしもし。もしもし。
 そして、きみは上を向いたまま呟く。
ーきれいですよ。ほんときれいですよ。
 ありがとうときみが空に浮かぶ紅葉に呟く。

Written by ken1

2018/12/09 at 19:21

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きみのもしもし #572

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ーもしもし、今日は表情が違うね、きみが微笑む。
 そうかな。
ーそうだよ、きみがうれしそうに微笑む。
 なんだろう。
ー分かってるくせに、きみがニコニコしている。
 たまに会うとさ、元気をもらえるのかな。
ーきっとその友だちとお互いにね、ますますきみが微笑む。
 あいつとももう長い付き合いになる。
 楽しいこともたくさんあったし、たくさんの説教もされた。
 みんないい思い出だ。
 そしてたまにしか会えないけれど、
 これからも支えになってくれるんだろうな。
ーそれも含めてお互いにね、きみがゆっくり頷く。
 そしてきみは続ける。
ーわたしと会ったあとも、そんないい表情が続いているといいな。
 もちろん。
 ぼくらは一緒に、街頭に流れるクリスマスキャロルを口ずさんだ。

Written by ken1

2018/12/03 at 10:19

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