風、空、きみ

talk to myself

そのひとと携帯とマニキュア

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 機能が多すぎてよくわからないらしい。そのひとは携帯の機種変をしたと言う。
 ぼくはそれが似たようなボディカラーだったので、そのひとが携帯を新しくしたことに気づかなかった。
「おんなじオレンジ色を選んだのになぁ」
 理由を尋ねた。
「色が同じだからなんとなく使い勝手も同じに思えちゃったんだよね」
 小首をひねりながらいろいろボタンを押している。
 ぼくは新しい携帯の機能よりも、その指先の色っぽさに目を引かれた。
「綺麗な色ですね」
 爪のマニキュアを目で指した。ぼくとしては褒めているつもりだった。
「それより形を褒めてくれないかな」
 そのひとは携帯から視線を上げた。
「親から授かった世界にひとつしかない形なんだからさ、こっちをほめられたほうがうれしいんだよ」
 そう言うと、また携帯をいじりだした。
 確かにそのひとの爪の形はマニキュアなんて必要ないほど美しい。みずみずしい美しさとでも言おうか。
−だからマニキュアの色が映えるんだ。
 ぼくは悪戦苦闘しているそのひとの指先を見ながら、そう思った。

Written by ken1

2005/10/22 @ 17:46

カテゴリー: her

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