Archive for 5月 2010
きみのもしもし #141
「もしもしっ、いつまで遊んでいるの?」
そろそろ窓の外は白み始めるらしい。
と言うか、カーテンが夜の色から早朝の色に少しだけ変わっているような気がした。
そして、何食わぬ顔のぼくにきみがささやく。
ーセックスとそれとどっちがいい?
「今夜はこっち」
ぼくは即答。
きみはあきれ顔。
「もしもぉし、そんなに面白いのですかぁあ」
「やってみる?」
きみは降参した仕草でぼくの横に腰かける。
「貸してっ」
そして、届いたばかりのiPadは今もきみの手の中にいる。
WHERE THE WILD THINGS ARE
かいじゅうたちのいるところ。モーリス・センダックの絵本を「マルコヴィッチの穴」のスパイク・ジョーンズ監督が実写映画化した作品。ほんとはとても大切で、でも難しいことを、とてもシンプルに、そしてストレートに、観せてくれます。「すべては愛、愛がすべて、そこにぼくはいるよ」これにつきますね。
きみのもしもし #140
「たまには早寝しなさいよっ」
このところの睡眠不足のぼくを心配してくれているのだろうけど、
怒っているように聞こえたきみの声。
「はぁ〜い」
なのに幼い子供のように返答したぼく。
「もしもしっ、もぉお」
携帯が切れた。
あっしまった、ほんとに怒らせちゃった。
今夜ばかりは少し反省し、まず数時間寝てみた。
そして再び起き出して、今、風呂上がり、
携帯の時計が深夜2時を表示している。
ーちょっと寝てみた。
もう寝ているだろうきみにメールを送る。
でも気づきませんように。
きみが起きませんように。
ー少し身体が軽くなった感じ。
いつも心配してくれるきみに感謝の気持ちを込めて、
ーありがとう。おやすみなさい。
きみがいい夢に包まれていますように。