Archive for 10月 24th, 2010
きみのもしもし #157
「もしもし、雨の日はね」
きみがシーツを鼻先まで引き上げながら、したり顔っぽい目つきで話しかける。
「地面を撮るといいんだよ」
肌寒い朝で、いつまでもベッドからでないぼくたち。
きみはくるくるっとした黒目だけ出して、ベッドサイドのカメラに視線を移す。
「も少し待つとね、晴れ間が顔を出して、水たまりにいろんなものを映してくれるの」
そしてぼくに乳房を押しつける。
「もしもし、、、今すぐじゃないのよ。も少ししたらね、お散歩に行こうね」
そのも少しのあいだ、ぼくらは身体を暖めあうことにした。