きみのもしもし #170
「ひさしぶりの一緒のランチだね」
「たしかにね」
目の前に出された小皿が目を引く。
美味しそうだな。
「それに食事中もちゃんと会話できるようになってきたものね」
「だからそれはさ」
幼い頃から食事は静かにとるものだとしつけられてきたなごり。
「そうであっても会話の少ない食事は楽しくないわ」
「そうだね」
「もしもし」
きみが微笑む。
「やっと認めたね」
ぼくも微笑む。
「ねぇここんとこどうだった。変わったことあった?」
「いろいろあったよ。例えばさ」
きみは他愛のない会話もうれしそう。
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