きみのもしもし #180
ひさしぶりにきみのいれる珈琲を口にした。
「相変わらず、美味しくいれるね」
「もしもし、誰に向かって言っているのかしら」
きみは腕組みをしながら「えへんっ」って顔をしている。
でもどうしてきみのいれる珈琲はこんなにも美味しいんだろう。
美味しいだけじゃなく、香りをかぐとほっとする。
ー豆がいいからよ。
以前にきみは照れながらそうも言っていた。
豆がどうであれ、きみはきちんと美味しい珈琲をいれてくれる。
「なんか安心するんだよね」
ぼくはもう一口、きみのいれた珈琲を口にする。
きみは自分のカップにも珈琲をそそぐ。
ゆっくりと流れる時間、週末はこうじゃなくっちゃね。
コメントを残す