Archive for 5月 21st, 2011
きみのもしもし #185
ーもうこんな時間なんだ。
ーそうだネ。
ぼくはフローリングに寝っ転がって、
開け放した窓の向こうの青空を見る。陽も長くなったもんだ。
ー何してた、今日?
ーきみのこと考えてた。
ぼくの親指は何の躊躇もなく、きみからのメールに歯の浮くようなセリフを返信する。我ながらすごいな。
ーもしもしぃ。まったくぅ。
きみが青空の向こうで笑っている。きっとあきれて笑っている。
ーほんとだよ。
畳み掛けるぼくの親指。たしかにすごい。
ーはいはい。
きみは軽く受け流す。
そしてぼくらはこれから会う約束を交わした。