きみのもしもし #186
寒い朝、ふとんから出るのもおっくうなぼくがいる。
「もしもーしっ、お目覚めの時間ですよぉ」
ーえっ。
ドアの向こうからいないはずのきみの声。
そしてショートパンツにTシャツ姿のきみがドアを明るく開ける。
「どう、今日のこのかっこ」
Tシャツの中できみの胸がゆれている。
「もしもしっっ。もうぉどこ見てるんの」
ーそうかも知れないけど、それよりなんで今ここにきみがいるの。
目のやり場にも困るし、頭の整理つかないし。混乱している。
「いいじゃん。来たくなったんだからさ。それよりねぇ」
ーえっ。
やっぱり肌寒いのよねぇ、ときみは言いながらぼくのふたんにもぐりこんできた。
「うん、あったかい」
きみの胸がぼくの胸に触れる。
「少しだけ、このまんま。も少しで珈琲はいるからさ」
きみはもっと温まろうと、ぎゅっとぼくに触れてくる。
いいんだけどさぁ。うーん。
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