風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #187

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ー時間はね、大切にしないとね。
ーいつも一緒にいれるわけじゃないし。
 ぼくは昨夜のきみのことばを思い出していた。
ーもしもし。
 そう言ってきみはぼくに背を向けた。
 猫みたいに丸めた背中をぼくに向けて、小さな声で。
ーでもね。
ーいつまでも一緒にいれるわけじゃない、そうじゃないの。
ーただ、大事な時間なんだから。
 そしてきみはこちらを向いた。
 どのくらいの時間をかけてきみのことばを聞いたのだろう。
ーもしもし。そのくらいわかってるよね。
 ふたつの、きっと相反する昨夜のきみのもしもし。
 今ぼくはもういちど、暗がりのベッドの中のきみの表情を思い出そうとしている。

Written by ken1

2011/06/05 @ 18:10

カテゴリー: kiss

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