風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #202

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 いつの間にかに秋の肌寒さが忍び込んでくる。
 先週まであんなに暑かったのに。
 いまだタオルケットで寝ていたぼくは、肌寒さから逃げるように起きて、何となくエスプレッソをいれてみる。
 リビングのテーブルには昨日きみと遊んだ真新しいカメラが一台、ぽつんとぼくを待っていた。

「すました顔をしてみてよ」
「いいよ」
 でも、ぼくのリクエストにきみは笑っている。
 今回のデジカメにはライカの古いレンズを取り付けた。
 ピントと絞りはマニュアル、シャッタースピードはカメラ任せ。
「もしもし」
 ん。
「ひとりで悦に入ってないでね」
 ぼくをお見通しのきみのおすましな顔がファインダー越しに見えた。

 苦い香り漂うエスプレッソを飲みながら、モニターに写るきみの写真を観てみた。
 うん、良く撮れている。世の中に1枚しか存在しない最初の1枚。こうでなくっちゃね。
 きみの笑顔を思い出しながら、朝から自画自賛なぼくがいる。

Written by ken1

2011/09/25 @ 12:11

カテゴリー: kiss

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