きみのもしもし #211
ほんと久しぶりに、かつて行きつけだったバーに行ってみた。
銀座のルパンよりも古いバー。
先代が亡くなり、バーテンダーさんも何人か代替わりしている。
そしてまた代替わりをし、お店だけは脈々と続いていく。
まるでお店がひとつの生き物ののように。
「このお店の灯を消さないように、誰かが引き継いでいくんですよ」
そんな話を新しいバーテンダーさんとしながら、また一杯グラスをいただく。
ーもしもし、ひとり浸ってるでしょ。
きみからのメールも、今夜はなんとなく控えめな感じがした。
「今度は彼女と来ますね」
バーテンダーさんは笑顔でゆっくりと頷いた。
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