風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #213

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 ひさしぶりにきみに会った気がする。
「そうかなぁ」
 きみの両手は温かな珈琲カップを包み込んでいる。
 かじかんだ指を温めるのにちょうど良さそう。
「もしかして」
 きみは外の寒さから落ち着くと、上目遣いにぼくを見つめる。
「もしもしっ」
 少し強めの口調。
「もしかして、前回、いつどこで会って何したか、忘れてなぁい」
 そんなことはないのだが、一瞬だけぼくらの時間が止まった。
「やっぱりね」
 いやいやいや、ぼくは懸命に首を横に振る。

Written by ken1

2011/12/11 @ 12:34

カテゴリー: kiss

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