Archive for 1月 2012
bottles
久しぶりにOLYMPUS 35RDを引っ張りだした。OLYMPUS最後のレンジファインダー機、それも海外向けに1975年に製作された35RD。かれこれそれから37年経つ。ぼくが手にしたのは2006年の夏。一度オーバーホールに出してそれ以来調子は落ちない。まぁシャッターボタンの感触が少し軽いのとシャッタースピードを決めるリングが少しだけ重いくらいかな。二重像もきちんと合うし、ピントリングもスムーズに回る。そして写りはこのとおり、相変わらずよいカメラです。この夜はこのカメラで友だちと交互に撮ったので似たような構図がいくつもあったけど、これはぼくの構図の方。このボトルを撮ったもうひとつふたつの構図もあったけど、きっとこれはぼくの方。だよね。酔っぱらいはこれだからなぁ。ちがっていたらごめんなさい。
きみのもしもし #220
「お散歩いこっ」
今、ふたりで公園から戻って来たばかり。
ぽかぽかだった陽気も、風が出て来て少し肌寒さを感じたから。
ー風邪引くとよくないものね。
そう言って、温かい珈琲を求めて、でも途中のカフェにも立ち寄らずぼくんちまで戻って来たはず。
「また行くのかな」
きみはにっこり笑って首を横に振る。
「また一緒に行けるかな」
「行けるよ」
きみは少し考えて、
「もしもし、あのね。おじいちゃん、おばあちゃんになっても一緒にお散歩行けるかな」
ぼくも少し考えて、
「行けるよ。きみさえよければ」
ふたりの間に少し間が空いた。
「まっいっか」
「まぁいいじゃん」
とにかくまた散歩に行こうね。
きみのもしもし #219
「凍えるねぇ」
「もう凍えてるよ」
きみとふたりで予約したお店を探す表参道。
かんたんに見つかるはずのお店が見つからない。
「お店に電話してみよっか」
「も少しこのまま探そ」
きみが身体をすり寄せ、腕を組んでくる。
重なった腕の辺りが温かい。
まぁ確かに悪くもないな。
「もしもし、ちゃんと探すんだよ」
ちょっと気を許したぼくに、
はなのあたまを赤くしたきみが白い息をかけてきた。