風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #216

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 寝正月、と言うか、
 布団にくるまって、本を読んでいた。
 なんとなくごろごろと寝返りを打ちながら。
 するとひとりふたりと、ケイタイメールでの賀状が届く。
 Twitterでも、Facebookでも、つながっているみんなの笑顔がアップされる。
 きっと郵便受けにはハガキの年賀状が届けられているんだろうな。
「もしもしっ、ネットとかケイタイじゃなくてさ」
 きみが「おめでとう」の言葉に続けて口にする。
「ナマのわたしと初詣行きたいでしょっ」
 ナマねぇ。ぼくはケイタイを耳に当てたまま正月早々、苦笑する。
「ねっねっねっ、もしもし、聞いてるぅ?」
 起きるからさ、ちょっと待ってて。ぼくは本を傍らに置いた。
 寒いじゃん。
「だからぁ、ナマのわたしと会うんだよ」
 ぼくは新年早々、きみの声にちょっとヨコシマな思いで布団から出た。
「おめでとう」
「うん、おめでとっ」
 今年もよい年となりそうだ。

Written by ken1

2012/01/02 @ 18:52

カテゴリー: kiss

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