きみのもしもし #217
「もしもーしっ」
いつの間に、ぼくのカメラを取り出してぼくにピントを合わせているきみがいる。
ぼくが振り向いた瞬間に「パシャっ」
きみは完全にしてやったりのどや顔をする。
悔しいけれど、今のきみを撮りたいくらいにいい表情だな。
「わたしの今年最初の1枚はあなた」
ほんとなら、それってぼくが言わなきゃいけない台詞だなぁ。
「現像したら頂戴ね」
ぼくは頷きながら、きみからカメラを受け取る。
「ねぇ、窓側の日だまりに座ってみてよ」
ぼくも今年最初の1枚を撮りたくなった。
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