きみのもしもし #220
「お散歩いこっ」
今、ふたりで公園から戻って来たばかり。
ぽかぽかだった陽気も、風が出て来て少し肌寒さを感じたから。
ー風邪引くとよくないものね。
そう言って、温かい珈琲を求めて、でも途中のカフェにも立ち寄らずぼくんちまで戻って来たはず。
「また行くのかな」
きみはにっこり笑って首を横に振る。
「また一緒に行けるかな」
「行けるよ」
きみは少し考えて、
「もしもし、あのね。おじいちゃん、おばあちゃんになっても一緒にお散歩行けるかな」
ぼくも少し考えて、
「行けるよ。きみさえよければ」
ふたりの間に少し間が空いた。
「まっいっか」
「まぁいいじゃん」
とにかくまた散歩に行こうね。
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