きみのもしもし #222
「どうしてそんなにバクバク食べるかなぁ」
ーえっ。
「せっかく買って来たのに、とっても時間をかけて選んでさ」
ぼくが右手でつまんでいるチョコにきみもぼくも視線を移す。
「一気に食べきって、なくなっちゃいそうでさぁ」
右手のチョコは行き場を失った。
「ありがたみって言うか。気持ち込めて渡したんだから、気持ち込めて食べてくんないとなぁ」
宙に浮いた右手のチョコ。
「もしもしっ、手に取ったんだから食べなさいよ。わたしの気持ちに感謝して食べなさいっ」
怖いなぁ。
でも、そんだけ気持ちがこもってるんだよね。
心して味わいます。
ありがとう。
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