Archive for 3月 2012
THE TREE OF LIFE
THE TREE OF LIFE。2011年度のカンヌ国際映画祭のパルム・ドール授賞作品、まぁアカデミー賞は完全に逃しましたが。映像詩な作品です。生命誕生っぽい映像は眠くなるだけでした。ブラッド・ピット、ショーン・ペンである必要はないなぁ。パルム・ドールを取っているのですばらしい映画のひとつなんでしょうけど、ぼくには理解できなかったです。ひとが出てこないシーンでは完全に意識が飛んでしまいましたとさ。(^^;;
八日目の蝉
八日目の蝉。角田光代。第二回中央公論文芸賞受賞作。そして2011年の日本アカデミー賞、ブルーリボン賞総なめの原作ですね。「心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ」とのコピーですが、淡々と語り聞かせるように進んでいった気がしています。何か詩を読んでいるような。そんな印象はぼくだけかな。少し置いてビデオ観てみることにします。読みやすかったです。
きみのもしもし #227
終電間近の帰り道、ぼくの行きつけのバーでほんのりと頬を赤くしたきみがいる。
春はもうそこまで来ていると言うのに、夜風は相変わらずぼくらにマフラーを要求する。
「寒くないか?」
「大丈夫っ」
寒さのインジケーターのきみの鼻先は、確かにまだ赤くない。
きみは手袋をした手を見せながら、何枚重ね着をしているかを教えてくれる。
「自分が寒いんでしょ。春が近いと思って少し薄いコートにしたんじゃないの」
そうでもないんだけど、きみはぼくを暖めようと腕を絡ませ身体をぴったりくっつけてくる。
悪くはないな。
そして他愛のない会話がはずむ。
「もしもし」
立ち止まるきみ。
「今夜はどちらにお帰りですか」
少しだけ鼻先が赤くなったきみが、上目遣いにぼくを見つめる。
きみのもしもし #226
ーけっこう遠いんだな。
自分に言い聞かせるように、きみにメールしてみる。
飛行機から降りて、ローカル電車を2本乗り継ぐ。
昔はもっと便が良かった気がする。気のせいかな。
車窓からは懐かしい連山が見える。
何も変わっちゃいないとばかりに、どっしりと構えている。
ーもしもし。
えっ、きみは今、仕事中のはず。
ーいってらっしゃい。楽しんで来なね。魂のお洗濯。
数時間前、フライト待ちの空港できみから届いたメールが、声となって聞こえて来た。
そんな気がした。
ちょっとした帰省。なかなか帰らないぼくへのきみの後押し。
差し込む日射しが少しだけ眩しかった。