きみのもしもし #226
ーけっこう遠いんだな。
自分に言い聞かせるように、きみにメールしてみる。
飛行機から降りて、ローカル電車を2本乗り継ぐ。
昔はもっと便が良かった気がする。気のせいかな。
車窓からは懐かしい連山が見える。
何も変わっちゃいないとばかりに、どっしりと構えている。
ーもしもし。
えっ、きみは今、仕事中のはず。
ーいってらっしゃい。楽しんで来なね。魂のお洗濯。
数時間前、フライト待ちの空港できみから届いたメールが、声となって聞こえて来た。
そんな気がした。
ちょっとした帰省。なかなか帰らないぼくへのきみの後押し。
差し込む日射しが少しだけ眩しかった。
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