Archive for 4月 2012
きみのもしもし #232
ーただ会いたいだけだよ。
いつもだけど、きみからの唐突な書き出しのメール。
それはぼくをドキマキさせる。
ーそれもがまんして東京離れるから。
ものは言いようだなぁ、だってこれからいつものふらりと海外でしょ。
ーでもね、やっぱり空港で会おうよ。ねっ。
ぼくは腕時計に目を落とす。車を飛ばせば確かにまだ間に合うな。
ーもしもーしっ、あなたの言葉をお守りにしたいんだ、たった一週間だけどさ。
いつものGWじゃん。ぼくはきみのメールに苦笑いをする。
ー了解。今年は三階出発ロビーで会いましょう。
ぼくの返信にきみはハートマークの絵文字をひとつ返してきた。
MOON
MOON 月に囚われた男。サム・ロックウェルしか出てきません。それでもサム・ロックウェルの演技がすばらしく最後まで魅入ってしまいます。過去のSF映画のオマージュだと監督のダンカン・ジョーンズも言っています。でも切なくなります。イヴとの電話のシーンなんて、先は読めるのにやっぱり切なくなります。秀作ですね。英国アカデミーの新人賞を獲得しています。そうそう2001年宇宙の旅のHALと比較されがちなガーティはケヴィン・スペイシーが声を担当しています。ほんといい映画です。
きみのもしもし #231
ーわたしにはね、もっと優しくしなきゃだめなんだよ。
突然のきみからのメール。
ぼくはと言えば、週末のこんな深夜はひとりアルコールに身を委ねている。
ーいっつもひとりで音楽聞いたり、DVD観たりなんだから。
少しアルコールが回っているぼくはぼくで、
ーいつものことじゃん。
と返信をしてしまう。
きっとこれが余分なんだろうなぁ。
これもいつものこと、返信をしたあとに気づく。
そしてグラスに口をつける。
でも、どうしたんだろう。何かあったのかな。
きみからの返信を待つ時間、ぼくはきみんちの方向、真っ暗な窓の外に目を向ける。
耳に届く音楽も次の曲に変わる。
ねぇ、早くいつものもしもし付きで応酬してくんないかな。
だったらぼくからきみにまたメールすればいいんだろうな。
それより電話かな。
それでもきみのもしもしを待つぼくがいる。
SOURCE CODE
ミッション:8ミニッツ。そうきましたか、なるほどねぇ。この手の映画にありがちな矛盾も目をつむります。サスペンスものと言うよりはヒューマンドラマだったんですね。デヴィッド・ボウイの実息ダンカン・ジョーンズ監督の「月に囚われた男」が観たくなりました。ところでなんでこんなにも原題と邦題が違うんでしょうねぇ。