きみのもしもし #234
「きみに会うまでの、昨日までのわたしはいらない」
突然きみが顔を近づけて来て、ほんとに目と鼻の先でぼくにこう言った。
久しぶりにこんな近くできみを見た気がした。
ー近づきすぎだよ。
ぼくの脳裏に横しまな考えがよぎる。
「もしもし、変なこと考えてるでしょ。そんな顔したぁ」
「っ。それよりさぁ、さっきの台詞は何」
できるだけ自然な感じで話題を戻そうと試みる。
「どっかで見たの。受け売り。でもいいでしょ。言われてみてどう?」
そしてまたきみは顔を近づけてくる。
ーだからさぁ、近づけすぎだってば。
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