きみのもしもし #241
写真に撮られるからってさ、改めてポーズを考えなくてもいいんだよ。
ファインダーを覗きながら、そんなきみを微笑ましく思った。
この古いカメラはシャッター音が優しい。
だから、ポーズをあれこれ考えているきみに向けて、実はもうすでに数枚撮っている。
「ねぇ、こんなのどう?」
いいねぇ、とぼくは答える。
「じゃっ、こんなのは」
それもいいな。
「もしもし。ちゃんと見てるぅ?」
きみが少しくちびるを突き出した、その瞬間も頂きました。
「あっ今、撮ったっ」
そこもまた1枚。
ぼくは楽しくってしょうがない。
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