風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #242

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 横に並んで歩いていたはずのきみが、後ろから声をかけてくる。
 繁華街の裏通り、前からの人とぶつからないように後ろに回ったんだね。
「ここに入ろっ」
 きみが暖簾の下がった古めかしいお店を指差している。
 そうだね、金曜夜、予約なしで入れるお店はなかなか見つからない。
 夜の曇天からぽつりとぼくの顔を濡らすものもある。
 そしてかなり蒸し始めいる。
 そろそろお店を決めたいところ。これだけ古めかしいと盲点かも知れないね。
「もしもし、ふたり入れますか?」
 ここでもきみはもしもしを使うんだ。
 そんなきみの横顔を見ていると、早くきみととことん冷えたビールを呑みたくなった。

Written by ken1

2012/07/07 @ 12:54

カテゴリー: kiss

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