きみのもしもし #247
「もしもし、フィナーレの第六部、始まりますよ」
きみがそう言って、ぼくの脇腹をつつく。
ー起きてるよ。
「そうなの。うそばっかり」
きみの瞳に華火が映る。
そして頭上に再び大輪の華が咲く。
「寝そべってないで、そろそろ起きなよ」
あっちのビルも綺麗だよ、ときみが運河沿いのビルを指差す。
きみに誘われてゆっくり身を起こすと、確かにガラス張りのビルも華火に彩られている。
そしてその向こうにはブルーに衣替えした東京タワーも見える。
ー綺麗だね。
ほろ酔い気分のぼくはきみを見ながらそう口にしてみた。
コメントを残す