風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #250

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 とつぜんの雨。
 そう言えば、目が覚めて窓から見えた西の空に黒くて分厚い雲があったなぁ。
 昨夜から開けっ放しにしている窓に近づくと、濃厚な緑の香りが雨風に乗って鼻をくすぐる。
ー雨だよ、雨。雷も聞こえるよ。
 雷マークの絵文字入りのメールが届く。
 あれ?きみは雷、苦手でしょ。まだ少し余裕があるのかな。ぼくは苦笑する。
ー窓、ちゃんと閉めてる?
 まだ開けてるよ、気持ちよい香りが入って来ているんだ。
ーもしもしぃ、そんなことだから部屋が湿っぽくなるんだよ。
 えっそうかな。
ー雨が降ったら、窓を閉める。雰囲気に浸ってないで、現実的にね。
 たまぁに生活感を感じさせるきみ。
 もう少し突然の緑の香りを楽しみたかったけど、
 でもきっと、きみは正しいんだろうなぁ。
 雨に葉っぱを洗われている窓の外の木々からの香りに、ちょっとだけ未練を感じつつ、
 ぼくはきみの指導に従って窓を閉めた。

Written by ken1

2012/09/01 @ 14:46

カテゴリー: kiss

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