風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #251

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 彼岸には少し早いけど、お墓の掃除に行く事にした。
 途中の幹線道路はそれなりに混んでいたが、霊園近辺はやはり予想どおり人影まばらな週末だった。
 持参したのは2リットルのペットボトルに詰めた水、ゴミ袋、手袋。
 墓石屋で購入したのは献花用の花と線香と一箱のマッチ。
 たまに通るそよ風が残暑の日射しをやわらげてくれる。
ーおはよ。いまどこにいるの?
 ケイタイで時間を確認すると11時、もう少しでお昼時か。
 墓地の雑草抜いて、墓石を洗って、献花して、お線香焚いて、おそば食べて、ちょっと散歩して、
 そうだなぁ、夕方前にはそっちに行くよ。
ーん、わかった。
 きみがベッドから起きだし、背伸びをしている様が何気に目に浮かぶ。
ーもしもし。お線香焚くんだったら枯れ草に気をつけてね。すぐに火が移っちゃうからね。
 そうだね。気をつけるよ。ちゃんと火の元に水をかけることにいたします。
 目的の墓石に着くと、一層の蝉時雨がぼくを包んだ。

Written by ken1

2012/09/09 @ 09:26

カテゴリー: kiss

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