きみのもしもし #252
「遅い夏休みをとるのよ」
きみのうれしそうな顔がケイタイから伝わってくる。
ーまたひとりで行くのかな。
「だって、あなたとはお休みが合わないんだもの」
返す言葉もない。
「でもね、あなたと疑似体験したいから」
えっ。
「あなたの行った事のある場所を教えて。その中から選ぶ事にしたんだ」
ー海外だよね。
「そうよ。国内だったら連休でどうにか一緒に行けるじゃん」
そして、ぼくらはそれぞれにGoogleマップを開いた。
「もしもし、まずはどこに飛びましょう?」
ふたりの疑似体験の始まり始まり。
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