風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #257

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「手はつなぐためにあるんじゃないのかな」
 きみはiPadから顔を上げると唐突にそう言った。
「と、このコミックでも主人公の彼女がそう言っている」
 ぼくはふーんと聞き流しながらも、きみの右手と握手する。
「違うでしょ、つなぐってさ。それは握手」
ーそうなんだけどさ、なんか照れくさいじゃん。
 当然、きみは納得しない。
「ねぇ、散歩に行かない?」とぼく。
「手をつないでくれるんだったら」ときみ。
ーもちろん。
 ぼくは右手をきみの左手に差し出した。

Written by ken1

2012/10/21 @ 22:12

カテゴリー: kiss

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