Archive for 11月 2012
きみのもしもし #262
ーもしもし、おはよ。
ーもしもし、いまどこ。
ーもしもし、はろはろ。
ぼくはきみのもしもしに、いや、きみのメールにまったく気づかない。
気づいたのは電車が終点に着いたとき。
ーもしもし、大丈夫かな。
ぼくはどうも乗りたかったのと違う電車に乗ったみたい。
景色も違うし、そもそも乗りたかった路線でこんな早くに終点なんて来る訳ないじゃん。
「ここはどこだ、なんでここに来てるんだ」
ー疲れてるのよ。今日は早く終わるといいね。
そうなんだけど、さてここからどうしよう。
きみに「大丈夫だよ」と返信を返して、ぼくは空を見上げた。
おや、快晴じゃん。
「へんなとこに来ちゃったけど、なんかいい一日になりそうだよ」
ーうん、そうなるよ、きっと。
「そうだね」
ぼくは雲一つない空に向かって、大きく背伸びをしてみた。
きみのもしもし #261
ー先に行ってるよ。
しばらく待ってみたけど、なかなか来ないきみに見切りをつけてゲートをくぐる事にした。
ゲートの前は思っていたより混んでいて、かつ進みも悪い。
ーけっこう混んでるよ。
返事のないきみにまたメールを送ってみる。
いつもはこんなに遅れる事もないきみからメール1本送られて来なくて、返信もないのはちょっと気になるところ。
ー席で待ってるね。
そうメールを送信しようといたところで、後ろから声が聞こえた。
「もしもーし、もしもーし」
えっ。
振り返ると、おっきな声で、そして高々と手を振るきみがいる。
ゲートを抜けて、人ごみをかき分けて、きみが小走りでやって来る。
でもさぁ、きみはぼくを振り返らせるのに、どうして「もしもし」なんだろうね。
「ケータイ、忘れちゃった」
小さく肩で息をして、ちょこんと舌を出すきみ。
うーん、疑問は後で確認するとして、とりあえず開演に間に合ったから、まぁ良しといたしましょう。
ENDHIRAN / THE ROBOT
ロボット。ロードショーで観逃していたので、待ちに待ってやっと観ました。インドのスーパースター、ラジニカーント主演です。楽しめました。が、深夜にお酒飲みながら観るにはこれでも139分長過ぎ。ノーカット版177分はどんなに長いんだろう。そしてわたし的にはやはり踊るマハラジャがやっぱいいな。でも毎回競演の女優さんは美形ですねぇ、今回はアイシュワリヤー・ラーイ。