風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #272

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ー片想いかぁ。
 録り溜めしていたテレビドラマを観ていて、つい口についた。
 片想いは切ないけれど美しい、そんなことを主人公は言っている。
 美しいかどうかはさておき、そんなに切なかったかな。
 いくつかの片想いを思い出しながら、もう一杯だけグラスにジンを注ぐ。
 初めての片想いはいつだったっけ。
 記憶は幼稚園までさかのぼる。でも切ないなんてあるわけないし。
 次は小学校。これも切ないなんてなかったな。
 中学校。ふられちゃったけど、きっと切ないまではなかった感じ。
 高校時代もないなぁ。
 大学のとき、くっついたり離れたり。離れてたときはかなり切なかったけど。
 そんな話をきみとする。
「本当の片想いの切なさ、知らないんでしょ」ときみ。
 そう言われてもなぁ。
「それ嫌なやつだよ。女の子にもてない。きっと相手の気持ちが分からないだもん」
 きみはどうなんだろう。
 少し困った顔をして微笑んでいるきみがいる。
「もしもし、わたしたちの始まりはどうでしたっけ」
ーうん。
 そう言って、ぼくは思い出すふりをしながらグラスに口をつけた。

Written by ken1

2013/02/02 @ 03:19

カテゴリー: kiss

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