きみのもしもし #274
久しぶりに何も気を使わなくてよい仲間とはしゃいでいた。
その中のひとりからシーズンズギフトのチョコをもらった。
もちろんぼくだけではなく、みんなに手渡していた。
「でも、うれしかったんでしょ」
もちろん。
「そんな顔してる」
ーだってさ、もらえるだけでもうれしいじゃん。
「まだまだ相手にしてもらえるだけでもいいよね」
そんなんだけでもないと思うけどなぁ。
「みんな、仲良しさんたちだもんね」
ーまーね。
きみは「わたしの入り込む余地はありません」って顔でテーブルを離れた。
そして、キッチンから紅茶の香りがしたかと思うと、
「もしもし、わたしのチョコのお味はいかが?」
きみはそう言って白い小皿にチョコを並べて出してきた。
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