風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #275

leave a comment »

「で、どうだったの」
 きみが珈琲カップで両手を温めながら、興味深い視線でぼくを見つめる。
 そんな視線で見つめられても、返答に困ってしまう。
「だからね、結果は三週間後なんだってさ」
「先生との問診とかなかったの」
「あるにはあったけど、いろんな結果は出てないじゃん」
 ぼくはミネラルウォーターを口にする。
 水分をたくさん取ってくださいと看護婦さんに言われた通りにがぶりがぶりと口にする。
「ねぇ、おなか鳴ってるよ」
「だよね」
「そろそろ始まる気配するでしょ。トイレ行って来なよ」
 強がっても見栄を張っても健診でバリウムを飲んだ後の恒例行事は避けられない。
 今日は何回こんなやりとりをするんだろう。
 あえてこんな日に一緒にいなくてもなぁ。
 でも、きみはなんだか楽しそうにぼくを見ている。そんな気がする。
「そうだね。でもなんだかなぁ」
 立ち上がると同時にまたおなかが鳴った。
「早く早く」
 ほんとなぜかうれしそうなきみがそこにいる。

Written by ken1

2013/02/23 @ 00:56

カテゴリー: kiss

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。