きみのもしもし #277
ーよい陽気だね。どっか行こうぜ。
昨日もよい陽気だったけど、溜まっていた洗濯物、部屋の掃除でぼくの一日はすぎて行った。
ー午後からはかなり花粉も飛ぶみたいだから、午前中、今からどう。
花粉を避けるように、美術館でもいいし港の見えるカフェとかいいかもね。
我ながらなかなかよい提案だと、けっこう自信ありげにメールした。
ーどうして昨日じゃないのかなぁ。ずっと連絡待ってたのに。
えっ。
ー前から言ってるじゃん。今日はお昼から用事があ・る・の。
・・・
ーだからぁ。この週末一緒にいれるのは昨日だったの。わかってるぅ?
ぼくはあわててメールの履歴を追ってみる。スマホのカレンダーを開いてみる。
電話で聞かされていたのかな。記憶も記録も出てこない。
ーもしもしぃ、ちゃんとわたしの話、聞いてくれているのかなぁ。
いやいや、こういう展開になるはずではなかったんだどなぁ。
さてと、どうしようかな。
こんなときはメールじゃなくて電話だな。
「来週末はどう?」
「まったくぅ」
きみは笑って電話に出てくれた。
やっぱりきみっていいなぁ。
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