風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #278

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 久しぶりに車のエンジンをかけた。
 黄砂で真っ白なボディの洗車を待つ間、きみにメールを入れてみた。
ーどっか行かない?
ー相変わらず、急だね。
 今年の花粉症はひどい、とくに眼に来るときみは言っていた。
 だから車からほとんど降りずに、クルージング中心。
ーうん、ドライブ、ドライブ。行こっ。

 そしてどのくらい走ったんだろう。
 ウインドーから差し込む暖かい日射しがきみをうとうとさせていた。
 だからちょっと気を抜いて、ぼくは信号待ちで大きくあくびをした。
 すると、きみは不思議と目を覚まし、
「もしもし、このまま桜を見に行こうよ」
 きみはそう言うし、たしかに春の陽気だけどさ、まだまだ梅どまりだよ。
 寝ぼけ眼のきみは不思議そうな顔をしている。

Written by ken1

2013/03/17 @ 01:08

カテゴリー: kiss

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