きみのもしもし #280
まだ連絡ないしほんとに行くのかな、と思いつつカメラを選んでいた。
まずはレンズで悩んで、次にボディで悩む、そして全体感と携帯性でまた振り出しに戻る。
ー寒いね。おはよ。まだおふとん。
ほぼほぼ出る準備が整ったぼくへのきみからのメールに、ぼくは苦笑い。
ーおはようございます。お約束の時間、ずらしますか。
少し他人行儀な返信を打ってみる。
返事はない。おやおや。
するとこのぽっかり空いた待ち時間で、ぼくはまたカメラの組み合わせに引き戻される。
もう決めた事なんだから、バックに詰めた組み合わせでいいはずなんだけど、
毎回最後まで悩むんだよなぁ。
ー大丈夫、時間どおりで。でも、
でも何だろう。受信画面をスクロール、スクロール。
ーでも、お化粧はそこそこだから写真撮るならカラーじゃなくてモノクロでね。
えっ。
ぼくはちょっと固まってしまう。
春だしせっかくだからカラーフィルムをM3に装填したのに。。。
ーかしこまりました、お嬢さま。仰せの通りにいたします。
さてと装填したカラーフィルムももったいないし、
別のボディ、M4にモノクロフィルムを装填しましょうかね。
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