風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #299

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「じっとしててね」
 ビーチ、パラソル、かき氷に囲まれ、あのとききみはそう言った。
「ちょっとの間、動いちゃだめだからね」
 くすぐったくて身構えたときに、きみはそう付け加えた。
「かんせーい」
 くすぐったかった左の肩を見ると、そこには小さいながらも夏らしい色で夏らしいデザインがペイントされていた。
 真っ赤な太陽、青い空。力強い白い雲。そんなペイントだった。
 汗で流れないのか。
 そんな心配を察してか、
「これでも美術の勉強中なのよ。水をはじく絵の具使いました」
 きみは笑顔でそう答えた。
 暑い日射しがきみの笑顔を照らしていたな。
「もしもし、夏っぽくていいでしょ。気に入っていただけましたか」
 きみはたしかにそう言った。
 きみのもしもしを聞いたのはきっとこのときが初めてかな。
 きみももしもしをみょうに使い始めたのはこのときからじゃないかな。
 あれから何年経ったんだろう。
 今日みたいな暑い日は、肩のペイントとともに初めて聞いたきみのもしもしを思い出す。

Written by ken1

2013/08/10 @ 11:42

カテゴリー: kiss

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