風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #315

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 きみがここに現れるまでの時間、ぼくは珈琲を片手に雑誌に目を通す。
 今日のような小春日和の日は、店先の陽の当たるテーブルがちょうどよい暖かさだ。
 そして、
ーちょっと待っててね。
 と送られてくるきみからのLINEを、楽しんでいるぼくもいる。
 さてと次はどのレンズにしようかな。
 雑誌には全ページ、うらやましいばかりのレンズが並んでいる。
 この中から次の1本を選ぶのか、選ばないのか。
 完全に雑誌のレンズ特集に没頭してしまう。

「もしもーしっ」
 あーびっくりした。
 突然後ろから声をかけられたぼくは飛び上がるほど驚いた。
「なにそんなに熱中してるんだか」
 あきれ顔のきみの目は笑っている。
「珈琲、冷めちゃったよ」
「もう一杯頼めばいいでしょ。あっわたしのもね」
 さてと雑誌は仕舞うことにしよう。
 ここからはきみとの時間だものね。

Written by ken1

2013/12/01 @ 19:16

カテゴリー: kiss

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