風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #325

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 粉雪と言えども地表から舞ってくる雪がきみの髪を飾っていた。
ー一生懸命、傘差したんだよ。
 きみは両肩、鞄にかかっている雪を懸命に払いのけようとしている。
 ぼくは飲みかけの珈琲をテーブルに置いて、立ち上がる。
 ここにもたくさん積もってるよ。
 そう言ってきみの頭の雪をぽんぽんぽんと払ってみる。
ーもしもし。
 何?
ーなんでもない。
 えぇ?
ーんーっ。なんかさ。頭をぽんぽんされるのって、うれしいなって。
 店内と外との温度差かな、きみの鼻先は赤くなっている。
 何言ってんのかな。
 ぼくはぼくでそんなことを言われると妙に照れてしまう。
 珈琲頼む?
ーうぅん、ホットワインにする。寒かったもん。
 了解。ぼくもそうしよう。
 きみは自分でも頭の雪を払い、ぼくの前に腰掛けた。
 外はまだ雪。まだまだ降り続くんだろうな。

Written by ken1

2014/02/08 @ 19:17

カテゴリー: kiss

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