きみのもしもし #343
梅雨に入っているなんて、微塵も感じさせない今日の天気。
風は通るのだけれども、リビングに居るのも暑く感じ、奥の部屋で横になっていた。
奥の部屋の窓から入ってくる風がぼくの頭から足下へ流れ、リビングにつながって行く。
天井を見つめながら、この週末のきみとのやりとりを思い出してみる。
ーたしか電話したよなぁ。
そう思いながら発信履歴を表示してみる。
ーこりぁ失礼な時間に電話をしたもんだなぁ。
ただ通話時間の履歴がないから、きっときみは熟睡しきっていて電話に気づかなかったんだろう。
まったくお酒飲みの記憶なくしには、我ながら困ったものだ。
そして今、リビングにあるインターフォンがピンポンとなった。
ぼくにはこのピンポンが「もしもーし」と聞こえるから不思議なものだ。
さてと玄関できみを迎えてあげよう。
きっとお散歩の誘いなんだろう。
アルコールの抜け始めた頭でぼくはもそもそと立ち上がる。
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