きみのもしもし #344
この島の空は青い。まだ夏にはなりきっていないだろうに。
その島の海も青い。淡い青さが沖の方まで続いている。
そして雲はもくもくと夏雲の様相を呈している。
そして夜は暗い。宿には懐中電灯が用意してあった。
懐中電灯を頼りに部屋から出てみる。
夜空を見上げてしばらくすると、暗闇になれてきた目にあきれるほどの星たちが飛び込んでくる。
言葉もなくじっと見つめていると、北斗七星が見えてくる。その先にあるのは北極星か。
その他にもたくさんの星座が広がっているのだろうけど、それ以外の星座は分からない。
「もしもし、見えた?」
そんな中、きみがぼくをつつく。
「ほら、また」
きみの指差す夜空には流れ星までが見えたらしい。
いっこうにぼくには見えない流れ星。
一個くらいは見たかったな。
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