風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #345

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「もしもし、PKまで来ちゃったよ」
 ソファで観戦していたぼくをきみが揺する。
 きみは珈琲片手に起きていたんだね。
 ぼくはと言えば、ソファに座って赤ワインを飲んでいたはずなんだが。
 仕切り直しで赤ワインを継ぎ足し、ソファから椅子に移動する。
「延長戦、どんなだった?」
 きみはクスクス笑っている。
「何度も起こしたんだから」
 みんな有らん限りの力を振り絞っていたわよ、ときみが続ける。
 きっと記憶に残る試合になるんじゃないかと。
 ぼくは不覚にもこの30分の記憶がない。
「お酒飲んでるからよ。だから珈琲にしなさいって言ったのに」
ーいやいや、この赤ワインはチリ産だから飲み干さないと。
ーうぅん、ブラジル産の珈琲のんで応援するのよ。
 そしてPKは最後のキッカーとなった。

Written by ken1

2014/06/29 @ 19:58

カテゴリー: kiss

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