風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #352

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 久しぶりに会えたというのに、なんとなくぎこちない。
 久しぶりだからぎこちないのか、距離感がうまくつかめない。
ーもしもし、あなたから何か話してよ。
 そんな声が聞こえてきそうなこの場の空気。
 でも口火を切ったのは、きみ。
「暑くない?エアコン効いてる?」
「大丈夫だよ。きみの方こそ寒いない?効きすぎてない?」
 他愛もないやりとりが少しだけきみの部屋の空気を溶かす。
ーもう来てくれないのかと思ってたわ。
ーもう呼ばれないのかと思っていたよ。
 そんな思いはふたりともおくびにも出さず、
 まだなんとなく相手の様子をうかがっている。
「今日はこの近くで花火があるね」
「うん、ここの屋上から観えるわよ」
 久しぶり感漂う空気を少しずつ少しずつ溶かして行く。
「もしもし、珈琲もう一杯いかが?」
 そう言ったきみを引き寄せ、耳たぶにキスをする。
「久しぶり」とぼく。
「うん」ときみは頷いた。

Written by ken1

2014/08/17 @ 01:31

カテゴリー: kiss

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