きみのもしもし #360
台風がまだ来ないので、まったりと本を読んでいる。
幼い頃の台風の記憶はお店の看板が窓の外を飛んでいたこと。
浸水や土砂崩れの記憶はない。
最近はどうなっちゃってるんだろう。
本を傍らに置き、外を眺めてみる。
まだ風らしい風も、雨らしい雨も始まらない。
「もしもし、珈琲いれよっか」
まったりとしていたきみも、なんかまったり感に疲れた模様。
新しい豆の袋を開け、グラインダーに豆を入れる。
からんからんと音が聞こえたかと思うと、
ガガガガガと豆が挽かれる音がする。
すでに良い香りだ。
まだここいらには台風は来ていない。
ここかしこ出来るだけ被害が少なく済みますように。
でも、あのとき見えた看板はどこまで飛んで行ったんだろう。
同時にふとそんな事を思った。
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