きみのもしもし #362
「一緒にジョギングしませんか?」
「うーん、気が向いたらね」
「いつ気が向くの?」
「なかなかいい質問だね」
「ちゃかさないのっ」
毎年この季節になると、きみと繰り返されるこのやりとり。
そして毎年、ぼくの気は向かない。
ーもしもし、今年はどうしますか。
でもきみはなかなか諦めない。
ー公園のね、ジョギングコースも楽しいんだよ。
そしてジョギングコースから見える景色をメールで送ってくれる。
ーねっ、季節感もあるでしょ。みんなも楽しそうでしょ。
きみの言うことはいつも正しいんだけどね。
だけどぼくは走るのは苦手です。
ー歩いたっていいんだからさ。
うーん。
やっぱり今年もまたぼくはジョギングをしない。
また来年も誘ってください。
ー知りません。
きみから「あっかんべー」の写真が届いた。
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