きみのもしもし #375
「これから会いに行くんだよね」
きみが少し神妙にしているぼくのために珈琲を入れてくれる。
ぼくはきみに目をやり、静かに頷く。
ずっと以前、結構交流あってさ。
目の前に置かれた珈琲から立ち上がる湯気に視線を移す。
いつからかなぁ、交流が減って。
気づいたらもういなくなってたんだよね。
「今日は何人集まるの」
みんないろいろあるから結局全部で7名かな。
「仲良しさんばっかりでしょ」
うん、そうだよ。
「それだけほんとの仲良しが集まってくれるって幸せだよ。もしもし」
うん?
「笑顔で行かないと。友だちもきみの笑顔を待ってるよ」
そうだね。
手元に準備した数珠を見ながら、
きみが入れてくれた珈琲を口に運んだ。
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