風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #377

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 チョコが宅配便で届く。
 見知らぬ差出人。
 ここの住所を知っている、と言うことは、
 ぼくがこのひとを思い出せないだけなのか。
 現実感のない不思議な感覚に包まれたまま、箱を開く。
 中にはメッセージカードが入っていた。
ー本命の人ができるまで、チョコを贈っても良いですか。
 読みようによっては、意味深すぎるメッセージ。
 贈ってもよいかと尋ねながら、すでに送ってきているし。
 頭がクラクラし、たどろうとする記憶も心もとない。
「もしもーし。どなたですか、その方は?」
 ぼくの代わりに宅配便のお兄さんに捺印したきみが覗き込む。
「うーん、わからない」
「そんなこと、ないでしょ」
 きみは冷ややかな笑みを浮かべている。
「ちゃんと思い出してあげなさい。失礼よ」
 そう言われてもなぁ。
 もっとわかりやすいメッセージにしてくれないかなぁ。
 バレンタインのちょっとした?ハプニング。
 さてと、どうしたものかしらん。

Written by ken1

2015/02/15 @ 22:33

カテゴリー: kiss

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