風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #383

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 きみに腕を組まれたのは何年ぶりだろう。
 夜桜を見た帰り、ほろよい気分のきみはぎゅっと腕を組んできた。
 ぼくは振り返りもせず、きみが組んできたぼくの右腕の脇を締める。
 そうすることで、きみの腕の感触が確かなものになる気がした。
 そしてふたりしてふらふらと坂道を登る。
 たまには腕を組むのもいいかも。
 きみの髪の香りを感じつつ、そう思った。
「もしもし」
「なにかな」
「変なこと考えてないでしょうね」
 きみが意味深に笑っている。
 夜桜と満月。
 さてとどうしましょうかね。

Written by ken1

2015/03/29 @ 18:15

カテゴリー: kiss

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