きみのもしもし #384
ー行って来なよ。そこから近いじゃん。
久しぶりにのんびりと一人都内を歩いていると、きみからLINEが入ってきた。
ー平日の昼間、人が少ない時間帯ににゆっくり桜を見れるなんて、そうないよ。
一人で花見もなんだかなぁ。
いつもはきみと一緒に行っていたから、一人で行くのがなんとなく想像できない。
ーたぶん都内は今日が一番よい日だと思うし。
そんなやりとりをしながら、いつもきみと行く桜並木に近づく。
おや?もう桜吹雪が始まってる。
たくさんの白い花びらが本当に小雪のように舞ってぼくを包む。
足を止め、じっと桜の木々を見上げてしまう。
本当に儚いんだな。
知ってはいたけど、あらためて言葉が口につく。
ーもしもし、明日京都に桜を観に行かない?
そしてきみからの唐突な誘い。
そうだね、次は京都の桜が見頃になりそうだね。
散り始めたここの満開の桜の写真とともに、きみに返事を送る。
明日の朝は早そうだ。
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