風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #386

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ー珈琲を入れてくれないか。
 何も考えずに、ふときみにLINEを飛ばした。
 ぼく自身も渋谷の雑踏の中にいるし、
 きみがどこで何をしているかも今日は知る由も無い。
 なのにただ無性にきみの入れる珈琲が飲みたくなり、
 スクランブル交差点のど真ん中で立ち止まった。
 キッチンで挽きたての珈琲を入れる。
 キッチンを問わず部屋中が香ばしくなり、ほんの少しだけ甘い香りのする
 苦めの珈琲が小さめのカップで出てくる。
 そんなことを思い出しながら、
 信号が点滅し始めた交差点を早足で渡りきる。
ーもしもし、早くいらっしゃい。待ってるよ。
 そんな返信を期待してみたが、そんなうまく行くはずもなく、
 ぼくは公園通りを原宿に向けて歩き始めた。

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Written by ken1

2015/04/19 at 16:28

Posted in kiss

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